王西安老師に学ぶ「三三原理」4

ゆっくりした速さでの稽古の時には、気を養い、それを動きに合わせて身体の各部まで運んでいくことにより、気の感覚をつかむことが目的。

 

中くらいの速さの稽古では、内三合と外三合を合わせるのが目的。そして、速く行うのは意念を反応させるための稽古となります。

    太極拳の力は全身をゆるめるという基本が出来てから、身体の中から出てくるものです。稽古を継続して、その力を身体の各部に伝えられるようにしていきます。

 身体をゆるめることが出来る前に力を使ってしまうと、単なるただの力になってしまい太極拳の力を作ることが出来なくなってしまいます。

   しかし、これは言うのは簡単ですが、実際には簡単なことではありません。とにかく実際に身体を動かさなければ出来ないので、正しい方法で継続して稽古を行ってください。

 「錬拳万遍すれば神理自ら現れる」

 もし道理が不明なら、師に習い、信念が揺らぐ時は良友を求めよう

 

 

 

 

 

 

 

王西安老師に学ぶ「三三原理」3

太極拳を稽古する場合二つの大きな目的があります。一つは体の全部の関節を開いて伸ばしていくこと。もう一つは、精神の敏捷性を養っていくことです。第一、第二段階では、正確な動作を覚え、形で内気を養っていきます。この段階では套路の稽古を行う場合にも、六分でやったり、八分でやったり、一二分かけて行ったり、いろいろな速さで稽古することが必要です。また架式の高さも、高い、低い、その中間の高さで稽古する必要があります。技撃のために行う場合は、なおさら架式を高い、中間、低い、の高さで稽古しなければなりません。実際の攻防の際に、相手が高い姿勢、あるいは低い姿勢に対して、自分が対応するためです。だから、一定の架式の高さ、一定のスピードだけで稽古するのではなく、いろいろな高さ、速さで稽古することが大切です。

王西安老師に学ぶ「三三原理」2

第一の招熟段階では、拳術套路の一つ一つの外形動作を正確に把握し熟練することを目指します。

「外三合」、つまり肩と股関節、肘と膝、手と足の法則性がしっかり合っているか確認しながら、身体に浸透させていきます。

第二の憧勁段階では、形で内勁を養っていくようにします。「内三合」と言い、心と意、意と気、気と力があっているかどうか。また、骨はあっていても、筋肉の収まり具合はどうかなどを確認しながら稽古して行きます。

第三の霊勁段階は、体内の内気を思うままにあやつることができなければならない。そして、運気を通して、気により外形をうながし、外形と気を結合した内外兼修の効果を得ることが必要になります。

「立禅」との出会い3

この時期に城西支部に籍をおいていたお陰で、澤井先生に出会い私の武術に対する考え方も大きく変化してきました。

その一つが「立禅」で中国の武術には禅を立った状態で行う立禅というものがあり、この立禅を組むことによって、内面の力を強力にし瞬間的な爆発力を養う稽古でした。

そして「這」(はい)は、自身の身体を防御と攻撃の両面で安定させるための稽古で、手は虫の触覚のように相手の攻撃を察知し、無意識に攻防できるようにし、足は泥の中を歩くようにイメージします。見ている人が分からないくらいゆっくりと中腰で動いていきます。

ある時期から組手の稽古をしていると、相手が顔面を蹴ってくる瞬間に無意識に身体が反応するようになりました。この頃から武術における気の力を信じる様になり、より一層稽古に取り入れる様になりました。

「立禅」との出会い2

 

1981年はまだ山田道場が開設して3年目ぐらいで、初代指導員の大西靖人さん(後の第15回の全日本チャンピオン)が毎日のように組手の稽古をしてくれていました。大西さんは身長180センチ、体重90キロぐらいの大柄な方でしたので、私も大きい相手に対する組手にとても自信がもてるようになりました。

 当時の稽古の中で思い出に残っていることは、20人がその日に稽古にくれば、20人全員と組手を行うことでした。1人1分のスパーリングでも20人いれば20分スパーリングを行います。

 また、大会前の半年間は極真ルールの組手を中心に行い、大会後の半年間は金的にパット、顔面に防具を着けて、急所を蹴っても、顔面を殴っても良いというルールで稽古を行なっていました。

 その当時、組手になると、太気拳の創始者の澤井健一先生が見にきてくださり、いろいろとアドバイスしてくれるようになりました。

次回に続く

 

「立禅」との出会い1

                                                                          昨日、書店で「月刊 秘伝」という武道、武術の雑誌を読んでいましたら、大学時代に籍をおいていた極真空手城西支部の山田支部長の記事が掲載されておりましたので、懐かしくなりブログを掲載することにしました。

 記事にも掲載されていましたが、1981年頃から道場に澤井先生がいらしてくださり、私たちも2時間の稽古の終わりに「這」の稽古を行なう様になりました。

 当時の山田道場はとても斬新な稽古法を導入しており、ボクシングのようなスパーリング、蹴りと突きのコンビネーション、アウトローという奥足外側を狙う下段回し蹴り、ウェイトトレーニングなどを取り入れてました。

 のちにこの極真会館の城西支部が「チャンピオン製造工場」の異名を轟かせるとは、このとき思ってもみなかったです。

次回に続く

 

王西安老師に学ぶ「三三原理」1

「三三原理」とは?

 陳式太極拳の稽古において、三つの段階、三種の勁の違い、それぞれの段階に応じた三種類の稽古方法の科学的原理のことをさします。

 初心者は、套路を中心とした「明勁」の稽古から入り、招熟段階といいます、つぎの段階になると気で套路を導くような「暗勁」の稽古になります、この段階を憧勁段階といいます。最終段階はこの両方が自由自在に使える「霊勁」の稽古はいります、この段階を神明段階といいます。これらの段階を必ず順序立てて経ていかなければなりません。

 初心者は招熟段階といって、太極拳を稽古する第一段階で套路をきちんと覚えることをいいます。具体的にいうと陳式太極拳の手法、身法、歩法などの拳術套路の一つ一つの外形動作を正確に覚えて熟練することを指します。

 「明勁」とは初心者にもともと備わる剛質な勁のことであり、套路の動作を通じて外形に表現され、見てとれる外形の段階です。

次回に続く

 

 

王西安大師に学ぶ「求道の太極拳」5

太極拳の修行のはじめは、一陰九陽と言って、姿勢を正し速度一致、虚実を明らかに、無心に動くことから始まります。

そして次に二陰八陽は、内勁(纏糸勁)発する事を稽古していきます。内外の勁を見つけることはやさしいが死角ができるため内勁を通すことが難しい。

三陰七陽は、意をもって気を行じ、身体のあらゆる所に勁をめぐらす事のできる段階。しかし内気を貫き通す事が出来てもまだ心の欲するままの動きが不自然である。

四陰六陽は好手に類する(小圏)。この段階において初めて太極拳が理解できる。推手のとき、化勁も発勁も自在にでき、意は相手の予測の先にあり、相手の力に応じて相手を制す。

五陰五陽は、五陰と五陽を合わせて陰陽先寄らざるとき妙手という(無圏)。

陳式太極拳を通じて、それを力学的に体感していきます。
太極拳も禅も実践を通して「体感する」「身心あげて会得する」ことが必要なのです。
理論だけではなく、それに則した実践が要請されていることを、そして理論と実践との二つが一体となること、これを理行一致といいますが、私たちはこのことを忘れてはならないのです。
陳式太極拳に興味がある方、是非体験にいらしてください。

 

王西安大師に学ぶ「求道の太極拳」4

「人人利なれども、道を行ずることは衆力を以ってす」(道元禅師)という言葉があります。それぞれ、みな能力があっても、その能力を引き出すためには、多くの力によってひらけるのです。
つまり、指導する人も、学ぶ人から、多くの気付きを得ることが出来るという意味にとらえられます。

 

稽古がはっきりとした目的、自己確立、自他和合という目的で行われるとき、それは修行、修練となります。
日々怠ることなく、稽古に励みながら、自己の修練と同時に、次世代の道友に、この道交会の精神をお互いに切磋琢磨して伝えていきたいと思います。
新会員を募集しています、是非体験にいらしてください。

王西安大師に学ぶ「求道の太極拳」3

型をしっかり踏まえながらその型を超えていくと、動作から心が離れ、自由自在に技が繰り出せるようになり、「我もしらず」という境地に至ります。
陳氏太極拳における五層の功夫の第五層の段階です。そうした稽古の段階を昔から「守・破・離」とよばれています。
私は決して精神論をいっているのではありません。禅僧である太極拳の師匠、山口博永老師について、禅の修行のごとく35年学んできたからいえるのです。

王西安大師の陳家溝の自宅にて撮影

「型にはまる」段階でとどまることなく、次の段階を目指して、工夫研鑽していきましょう。太極拳に興味のある方は、是非一度体験にいらしてください。