陳式太極拳 王西安老師に学ぶ  翻訳1


王西安大師の門弟135人の紹介されている本が、5年の歳月を経て今年の5月に中国で出版されました。
「太極的力量-王西安和他的弟子們」 河南科学技術出版社
 512ページで高価な本です。
 1ページ目に私が掲載されておりますので、関心がある方はお取り寄せしてください。 商品コードTJDL515688 分類:武術 

 001 三浦方圓 : 「空手道から太極拳へ」
 三浦方圓の身からは重厚で味わい深い書生気質を発散している。生活の中では彼は寡黙な人のようであり、沈着であることが彼個人の人物像となっている。彼の温和で優雅な風貌は、初対面の人に深い印象を与える。彼に会ったことがある人は皆、「詩書を読むと気性も自然に優れたものとなる」という中国の古詩を想起するであろう。見たところ、彼は世と争わず人と共に善を為す風雅な人であり、身に俗気をまとうことが少ないようである。彼と一緒にいると精神面で恩恵を受けることもあり、一陣の春風が顔をかすめたような気持にさせられる。
 今年49歳の三浦方圓は、日本の高等専門学校で社会学を教えている。彼の鼻の上に眼鏡がかけられているのを見ると、更に彼の学識深い風格を感じさせる。大人しく上品であるが、彼の静かな物腰からは自信の力のようなものが滲み出ており、外界の是非によってかき乱されることのない落ち着きがある。それは恐らく人生経験によって練られたものなのか、或いは長い武術キャリアが彼の生命に与えた恩恵なのかも知れない。
 1982年より、三浦方圓は太極拳を学び始めた。中日の文化はその起源が同じであり、中国伝統文化の精髄を内包する太極拳が彼の世界に入り込んで来た時にも、少しも違和感は無く、旧知の友のような親しみを感じた。初めて太極拳に接した時、彼はこの深味のある拳術に魅了され、そこからその奥深い世界に入っていき、太極の深さを探求することになった。それはあたかも一方通行の道のようであり、ひと度踏み入れてしまうと帰り道は無い。彼の人生すべては太極の道を歩んでいて、絶えず前進している。それは楽しみであり、人生もそれ故に度々精彩を放つことになるのである。
 見たところ三浦方圓は文人の大学の先生だが、武術に対しては一本気である。文より武に入り、彼はすべてを思いどおりにでき、豊富な学識を頼みとして武術の精神面の中にまで入っていくことができ、その外側のみに留まることなく、そのごたごたした表象に惑わされることもない。
 太極拳を習う前、彼は空手道の愛好者であった。空手道というこの日本の伝統武術の中で彼は多くの時を過ごした。だが最終的には、彼は中国より伝わってきた太極拳に深く魅かれ、10年以上の間一貫して太極拳を広めようと努力し、心血を注いでいる。 (次回に続く)