どんな状態になっても、一瞬力を抜くことによって相手との立場を逆転することができる。
相手が力を出してきた時には、力で対抗しないで、力を抜くことによって対抗する。ゆるめるという事と力をなくしてしまうということは違います。
ゆるめる時には、必ずしなければならない原則があります。
つかまれた時にゆるめるということの目的は、ゆるめることで自分が主導になるということです。
ゆっくりした速さでの稽古の時には、気を養い、それを動きに合わせて身体の各部まで運んでいくことにより、気の感覚をつかむことが目的。
中くらいの速さの稽古では、内三合と外三合を合わせるのが目的。そして、速く行うのは意念を反応させるための稽古となります。
太極拳の力は全身をゆるめるという基本が出来てから、身体の中から出てくるものです。稽古を継続して、その力を身体の各部に伝えられるようにしていきます。
身体をゆるめることが出来る前に力を使ってしまうと、単なるただの力になってしまい太極拳の力を作ることが出来なくなってしまいます。
しかし、これは言うのは簡単ですが、実際には簡単なことではありません。とにかく実際に身体を動かさなければ出来ないので、正しい方法で継続して稽古を行ってください。
「錬拳万遍すれば神理自ら現れる」
もし道理が不明なら、師に習い、信念が揺らぐ時は良友を求めよう
太極道交会が発足して、早いもので間もなく40周年を迎えようとしています。太極道交会を知るためには、山口博永老師がどのような修業をして来た方かを知る必要があると思います。
今回、師匠に許可を頂き、秘蔵写真をアルバムに掲載しておりますので、是非ご覧ください。
太極拳を稽古する場合二つの大きな目的があります。一つは体の全部の関節を開いて伸ばしていくこと。もう一つは、精神の敏捷性を養っていくことです。第一、第二段階では、正確な動作を覚え、形で内気を養っていきます。この段階では套路の稽古を行う場合にも、六分でやったり、八分でやったり、一二分かけて行ったり、いろいろな速さで稽古することが必要です。また架式の高さも、高い、低い、その中間の高さで稽古する必要があります。技撃のために行う場合は、なおさら架式を高い、中間、低い、の高さで稽古しなければなりません。実際の攻防の際に、相手が高い姿勢、あるいは低い姿勢に対して、自分が対応するためです。だから、一定の架式の高さ、一定のスピードだけで稽古するのではなく、いろいろな高さ、速さで稽古することが大切です。