陳式太極拳 王西安大師に学ぶ 二人の師 回想録8


王西安大師に学ぶ
 回想録8
 1980年代までは、山口博永先生が王西安老師から学んできたことを教えてもらっていましたが、1990年代からは次第に直接、王西安老師から学ぶ機会が多くなりました。特に印象的だったのは、発足15周年を記念して敬心道場のメンバーだけで訪中したときでした。少人数で行ったにもかかわらず王先生はとても歓迎してくださり、夏の暑い中、毎日、王西安学校の体育館で熱心に指導してくださいました。
 私は王先生のとても熱心な指導に時を忘れ、練習着の上半身だけでなく、下半身のズボンやシューズの中まで汗でびっしょりになっていたことを、今でも鮮明に思い出します。
 私の学んで来た師である山口先生と王先生は、とても共通点があります。普段は寡黙でシャイなところがありますが、両先生とも、とても酒豪で、私は最初あまりお酒は飲めなかったのですが、稽古が終わると毎回一緒においしいお酒を飲んでいるうちに次第に私も強くなっていきました。山口先生のお蔭で道交会は酒豪が多いので、訪中すると王先生も気持ちはよくわかるが、飲みすぎに注意しろと言われるくらいよく飲むようになりました。
 王西安先生も親近感をもって次第に私達に接してくださるようになり、私は王先生の卓越した陳氏太極拳の技量だけでなく、人望があるおおらかな人柄に惹かれ、いつしか毎年訪中するようになりました。(次回に続く)


«