戦後、東京音羽の護国寺で心身統一道を説いておられた中村天風先生の講演のなかで「心と体という、この命を形成しているものの関係は、ちょうど一筋の川の流れのごとく、切れず、離れない。そうして、つねにこの川の流れの川上は心で、川下は肉体だということに気がついたならば、心というものはどんな場合であろうとも、積極的であらしめなければならんのは当然だ。」という考えは、まさに太極拳の根本だと思う。
心を積極的に使うということは、「気を出す」ことである。
リラックスしてありのままの状態、心身が統一され、すべてを天地に任せきった状態になっていれば、気はほとばしり出ます。
太極拳とは、気をもって動作を導き、天地の気に合するものでなければならない。
平成3年2月のお便り「敬心」より掲載