私の師匠は、禅僧の山口博永老師という方です。
老師は26歳のとき、禅寺で修行時代に外国人の友人が庭で古式の太極拳を行っているのを見て、禅と深いつながりがあると直観する。
1975年インド巡拝旅行の帰り、本場の太極拳を学びたくて台湾に立ち寄ったところ、運よく武壇の劉雲樵老師のもとで陳式太極拳を中心に通算5年間学ぶことになる。この武壇は、漫画「拳児」の原作者で武術研究家の故松田隆智氏も学んでいたところです。
そして1979年に中国大陸に渡り、陳氏太極拳19代伝人、陳小旺老師に学ぶことになります。
建国後の中国で、直接習った外国人であった。台湾で基礎が出来ており、とても真面目に学んでいたので、陳小旺老師も部屋に鍵をかけて真剣にいろいろと教えてくれたそうです。
山口老師は、太極拳を禅の修行のごとく黙々と稽古を続けながら、毎年訪中して老師から与えられた課題を消化していったそうです。陳小旺老師に7年間、その後、19代伝人、王西安老師に17年にわたり学んできました。
そのお蔭で山口の弟子ならば私が直接教えると言ってくださり、私達も王西安老師に毎年学ぶことが出来ております。
その後、師匠は縁があって2000年より陳式18代伝人の馮志強老師に陳式心意混元太極拳を学ぶことになります。
師匠が今日まで拳禅一如として純粋に修行してきたからこそ、劉雲樵大師、徐紀老師、陳小旺老師、王西安老師、馮志強大師、陳項老師などの超一流の先生方に巡り会えたのだと思いました。
私も山口老師に出会ったのが21歳の学生時代でした、その5年後、拝師して今日まで人生の師として導いて頂き、とても深く感謝しております。
道元禅師は、正しい師匠を得なければ修行してもだめだと申しておられます。
皆さんも、学びは是非一流の先生についてください。