敬心道場の目指すもの(その2)

 私の尊敬する時代をこえた師匠は、幕末の山岡鐵舟先生です。稽古が終わったあとに弟子たちに以下のような訓話をしております。
「剣や禅の精進によって、人間は宇宙の一分子であり、天地同根であることがわかってきたら、われわれは我を去らなければならない。我を張り滞ることによって、天地の調和が崩れていき、混乱が始まる。滞りはすべて我執から起こっており、剣法は結局その我執を脱却する修行の一つなのである。
 この心境を得ることができれば、自由闊達、融通無碍、自在に剣を操ることができるようになる。技の修練と精神の錬磨は常に表裏の関係であることを忘れてはならない」
 敬心道場においても、太極拳をつうじて最初は武術でも健康法でも結構です。さらに精進していくと、太極拳はひとつの手段であり、太極理論を身をもって体得することの大切さが理解できるでしょう。
 鐵舟先生の言葉を引用するならば「天地同根一体の理を悟るためにある」ことを目指しております。


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