稽古における気づき

姿勢ですが、前後左右に傾くことのないように、首筋を立てて、股関節をゆるめておくことが大切です。(上虚下実)

両足の重心移動をはっきりとさせ、股関節をゆるめることで発生する、地面からの反発する力を利用して動く。上手く表現できませんが、要は自分の力で引っぱろうとしないことです。

各動作の終わりは姿勢を正し、全身の関節や筋肉をゆるめる様にしながら静かに丹田に気を沈めます。(太極の気象にかえる)

すぐに次の動作に急がず、あわてず、落ち着くまで待ちます。この時は、やはり首筋を立て、しっかり立ちながら、ゆるめるべきところをゆるめます。

この「太極の気象」というのが、他の拳法にはない、太極拳の特徴にもなります。

次に眼法ですが、動作そのものに成り切って動くために、眼の位置が大切です。

集中力にもつながるのでしょうが、引くときには本当に引くつもりで、押すときには、本当に押すつもりになって押すのです。そこに集中します。これを「意を用いる」と言います。眼は自ずとその方向にあります。右に押しているのに、顔は左を向いていたら、それこそよそ見です。

各動作、形にはそれ自体、用法としての意味がありますので、そこがわかると、自然に形や眼法、意の用い方が正しくなります。只、形をなぞるのではなく、その内容を理解して動くと良い稽古になると思います。

最後に套路についてですが、普段の稽古においては新架、老架、混元のどれを稽古しても結構です。自分の年齢や体力に応じて、無理をしないで稽古してください。

套路をいくつも覚えるよりも、一つの套路を繰り返し鍛錬して、虚実、開合、太極の気象、意念、放松等を身体に浸透させていくことが大切だと思います。

先人たちが脈々と残してきた形の中に脈打っているもの、陰陽の変化であり、動静のバランスであり、絶対的というべき「太極理論」を身をもって実践していくことが核心だと思います。

お互いに精進していきましょう。今ここ 無功徳常精進

 

 


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