巡礼日記 その2

   四国遍路の道は一般道路が多いのですが、歩き遍路の道は時には山の中に入っていきます。徳島で11番藤井寺の横から12番焼山寺に向かう道は、上がったり下がったりの山道でした。この日ははじめから雨で、心もおれそうでした。おまけに雨が雪に変わり、山の中で一人でいると、いったい私は何をしているのかと感じ、すべてを放り投げたいと思いました。後戻りもできず前に進むだけです。これ以降色々ありますが、焼山寺巡礼を経験すると何とかやれました。
   高知の足摺岬では遍路道が海岸を歩くように指していて、その通りに行くと海がせまっていて岩場を歩きました。ちょうど地元の方がいて、そこから山にはいるのだと教えてくれました。見ると草に隠れて遍路道がありました。地元の方がいなかったらどんどん海べりを歩いていったかも知れません。
    四国遍路はただただ歩くだけです。初めは足が痛くこのまま歩けるのか心配でしたが、いまは足も慣れてきて、今度は変化がないので少し飽きてきています。人とまじわるのが少し苦手ですので、宿に入ってもお遍路さんとあまり話をしません。みなさんはビール飲んだり楽しそうにしているのですが、私は飲めないのでと言ってお茶ばかり飲んでいます。 こんな私ですが、お遍路さんと相部屋になりベテランのお遍路さんから四国遍路の裏表まで教えてもらい、次の日は1日一緒に行動しました。人見知りのどこを気に入ってもらったのか分かりません。今日で50番繁多寺まで行きました。松山市に入ってきたので当分ヘビの心配しなくてすみます。