推手の技法としては、打、抓、拿、摔、化の五種類がありますが、これらは単独で用いるのではなく、お互いに連関させながら使用します。
相手に技がかからなかったとしても、何らかの反応を相手に生じさせることができます。その変化を利用して、打つことや、投げることができるかもしれない。つまり、個々の技を相手の反応に応じて千変万化させて用いることが肝要です。
太極拳の化勁は、ただ相手の力を受け流すのが目的ではない。受け流しながら相手の重心をぐらつかせ、体勢を不安定にさせてしまう。そしてすばやく反撃します。
ゆっくりした速さでの稽古の時には、気を養い、それを動きに合わせて身体の各部まで運んでいくことにより、気の感覚をつかむことが目的。
中くらいの速さの稽古では、内三合と外三合を合わせるのが目的。そして、速く行うのは意念を反応させるための稽古となります。
太極拳の力は全身をゆるめるという基本が出来てから、身体の中から出てくるものです。稽古を継続して、その力を身体の各部に伝えられるようにしていきます。
身体をゆるめることが出来る前に力を使ってしまうと、単なるただの力になってしまい太極拳の力を作ることが出来なくなってしまいます。
しかし、これは言うのは簡単ですが、実際には簡単なことではありません。とにかく実際に身体を動かさなければ出来ないので、正しい方法で継続して稽古を行ってください。
「錬拳万遍すれば神理自ら現れる」
もし道理が不明なら、師に習い、信念が揺らぐ時は良友を求めよう