第8章 寺の生活

寺の生活にも慣れたある夜に、師の部屋の障子の前に正座して「質問が有ります!」と申し上げますと、師は障子越しに「何か!」私は、「世界平和とは何ですか」と問うと「まずはお経を覚えろ」
(うわ!かっこいい・・・)
たしか禅の問答にそんな調子で書いてあったのを思い出し、一人前になった気分で嬉しかった。
次の夜も風呂上がりに障子の前に正座して、「世界平和はどうしたら実現出来ますか」と問いますと「入れ!」と仰る。
障子を開けて中に入るなり「お前は同じ事を何度となく聞くが、世界平和のために出家をしたのか!」と仰るので、私は得意げに「はい!それを使命と感じております」と申し上げますと「非力の菩薩、人を救わんとして溺ると云うではないか、よいか力をつけろ!そのためには今ここに成り切れ!お経を覚える事もそうだ!世界平和、世界平和と先に見据えるな、今ここ!自分を棚上げせずにやれ!」怒られた!何とも素っ気ない・・・。
しかしその後、笑顔で「非力でもなぁ、他のために飛び込む事はそれは素晴らしいがなぁ」と仰っていただき安堵した。
そして、六月のある日、私は道元禅師の正法眼蔵髄聞記を読んで衝撃を受けました。
その教えは本当に私を勇気づけてくれました!そして私は目覚めた!
それまでに無かった自立心に一気に目覚めた。
次の日の朝、清々とした気分になって背筋は伸び、目もきりっとして力がみなぎり、凛々しくしておりますと、師は「お前どうしたんだ!」と仰いますので、私は待ってましたとばかりに申し上げました  「随聞記を読んで悟りました」と。
師はニヤリとされて、「うん、そうか!」と仰ただけでした。
しかしそれからが大変だった!師は何事につけても急に厳しくなられた。
私はある時思い切ってそして正直に尋ねました。「どうして急に厳しくなられたのですか」と、そうすると懇々と諭すように「お前はなぁ~、今までこんにゃくか豆腐みたいだった、ちょっとでも突っつくと壊れてしまいそうであったぞ」と。
(面目ない・・・)

第7章 小僧生活

小僧生活昭和四十年三月十九日、私は自転車の後ろに着替えその他日常に必要な物をダンボール箱三箱に詰め込んで載せ、これから始まる質素な禅寺の生活を覚悟して意気揚々と寺に入りました。
しかし、初日の夕食は、私の一番苦手な鰺の空揚げでした。でも皆でお経を唱えながらの食事はうれしかった。
寺の生活の初日は元気で張り切っておりましたが、どうしたことか三日過ぎた頃からやたらと淋しくなって、山門を見る度に強迫観念に襲われ、打ちのめされました・・・。
(もう門から出てはいけないんだ、家に帰れない!両親と兄弟にも会ってはいけない・・・、友とも、もう会うことは許されない)と思うと寂しくなって、本堂の横の日溜まりで、頭からタオルを被り寒さに震えておりました。
・・・
ところが得度式(出家)の準備とかで、一週間後にその用件を両親に伝える為に家に帰されました。
その日、父は私に向かって「もう寺に帰るな!」と大激怒いたしました。それもそのはずで、信じられない事ですが一週間の間に体重が八キロも落ちていたのです。
小僧生活 右の写真ですが、私は拳を握り座っております。
僧が座る時、手は法界定印といって坐禅のときと同じ形にする習慣を私は知っていたのですが、しかし出家後の記念写真を撮る時、私はその燃え上がる感情を抑えきれずに、あえて手を拳にしたのです。
師はこの写真を見て案の定「何だ!この手は!?隣にいる僧も何で注意せんのか!」と、オカンムリでありました。
しかし、次第に私の気持ちが通じていったのか「まあいいか・・・、いやこれは面白いかも!?いかにも、なぁ、やる気がでててー、うん!!ええで~、これ~、やるぞ!ってー、アッハッハッハー、お前らしいなぁ、ええ記念写真になったでぇ」と、顔を紅潮させておりました。
私は、気持ちが通じて、嬉しかった。

第6章 我が師

私が出家した寺は奈良の箸墓古墳の近くにある禅寺で、その当時、そこには永平寺大本山から特使として派遣された、宗門の逸材、将来は禅師と嘱望されていた、高僧丸山英智老師が住職しておられました。
何も知らない私が、ただ一途な情熱を抱いて門を叩いたのが十七歳の春でした。それから毎月一回の参禅会に参加しながら、人生如何に生くべきかを問い続け、そして機縁が熟して出家を決心いたしました。
ある日私は出家の志しを固め、意を決して丸山老師に入門を願い出ました。すると老師は「入門とは何か!」と、今まで聞いた事もない腹の底に響くような声でおっしゃるのです。
私は内心(そら来た!)と思いました。(これぞ、彼の有名な禅問答なんだ!)と腹をくくり、少し緊張気味で、しどろもどろにごちゃごちゃと、しかし最後はしっかりと説明申し上げました。
すると「な~んだ弟子にしてほしいと云うことか!」と、さらりとかわされ、少し拍子抜け気味に「ハァ・・・、はい!」と言うと、「ならば両親を連れていらっしゃい」とおっしゃりました。
冷たい!!
(私は完敗だ!入門は命懸けの決心を師に伝えなければ許されないと本に書いてある、なのに老師は両親を連れていらっしゃいと仰る!やっぱり私の志しの未熟さを見抜かれたのだ!)と思い込んでショックを受け、辛く悲しくなりました。しかしこれが後に、落語にある『コンニャク問答』になるとは夢にも思わなかったのです。
私は真剣だったのです!
禅入門の書には『慧可はその意志の未熟さから、達磨に入門を許されなかった。そのため自ら我が腕を切り落としてその誠意を表した』と書いてある!
何も知らない私は、そうしなければ入門は許されないと本気に考えて、その後本当に腕を切り落とす段取りまで考えたのです!でも結局は、できずにただナイフを火に差し込み右手の甲に誓いの印を焼き付けただけでした。
自叙伝 我が師それからというもの、毎月の禅会毎に志しを正し、頭を剃って向かいました。
生活も寺に入ると一汁一菜だからと外から欠けた丼茶碗を拾って来て、禅会で頂いた割り箸を大事に、お粥と梅干しの食生活に切り替えました。
また毎日夜中の二時に一番気持ちの悪い神社にお詣りしたり・・・。
怖いから、でっかい秋田犬の愛犬“鉄”を連れて行くのですが、鉄が鳥居の前まで行くと嫌がって動かないのです!それでも私は行きました!
( 後日談として、坐禅会 H.Mさんが、この神社を2012年12月に行かれたときのエピソードがあります。こちらから
その帰りは安堵感からか昼間は車が激しく通る道にゴロリと大の字になって、愛犬に顔を舐められ仰いだ星空のなんと美しかったことか!
・・・
満天の星に心から出家を誓いました。
だが現実はその効果もなく、その後も師はなんとも言って下さらない。
それでも諦めないで我慢をしていると、ある日老師は「どうする?」と、おっしゃいました。
私は即座に!「はい!入門、いや弟子にして下さい!」と真剣にお願いしたら、「うーん?、だ・か・ら、一度両親と、会って話をしないとまずいだろう?」とおっしゃいました。
本当に老師は私の両親の許可を取って決めたかったようです。  ・・・あれから半年・・・。
でも決して今までの私の努力は無駄では無かった!としっかり自分に言い聞かせて、納得致しました。
だって、本に書いてあったのだから、出家のきびしさが・・・。
出家後に寺のお母さんが言うには、「あんたが弟子になりたい言うもんやから方丈はん(老師)どんなに喜んではったか、その後何も言わへんから、やっぱり若いから気が変わったのかなぁ~っ、て云うてはったで~」・・・、だそうです。

第5章 信決定

それから、いつだったか、何の時か 早朝五時過ぎでありました、石油ストーブの丸くかたどった網の、火がチロチロと燃え盛り、その輝きに目を遣って、ふとした時・・・、私の心の中に思いもよらないささやきが聞こえました。
私って出家するのかなぁ
・・・、と誰となく問い掛けたような、その瞬間!あの感動がやって来ました!
初めは静かに、そして力を増してついに有無を云わせず、気づいた時に出家していました!!
誰がその気分を注入したのか分からない。
そして一気に爆発した!
なんなんだこれは!腹の底から喜びが込み上げて、止める事ができないのです!
無条件である!何が嬉しいのか!その喜ぶ対象が無い・・・

第4章 出家を目指して

物心がついた頃から「どちらに転んでも大丈夫な世界って有るのか!」が私の命題でありました。
ちょうどその頃、NHKの大河ドラマ太閤記が始まっておりました。
(先頃、そのドラマの主人公であった、秀吉役の緒形拳さんが亡くなられました。私の人生の岐路にあって、暗示的な役割を演じて下さいました有り難うございました。心から御冥福をお祈りいたします。あなたは私にとって今でも秀吉です)
そのドラマの中で、織田信長が“人生五十年太く短く”と、謡い舞う場面がありました。私はその時、この“太く短く生きる”という言葉がえらく気に入って、その時(よし!私もどうせ生きるのなら太く短く、最高の生き方をしようではないか!)と深く決心をいたしました。
そして一番偉大な生き方は、なぜか「世界平和のために生きる事である」と考えました。そこまでは良かったのですが、その為にはどのように行動したら良いのか、それが分からず、ただその当時かなり影響を受けていた『アニメ鉄腕アトム』の世界や映画地球防衛軍等ともだぶらせて、自衛隊に行って最強の武器を開発しようと考えました。
しかし幼稚なりにも「世界平和は武力で成し遂げられるものではない」という事はすぐに気づき、次にテレビ、スーパーマンの中に出てきた精神世界に興味を持つようになって、超心理学を学ぼうと決心をいたしました。
しかしそれもまたどうにも現実的ではないと思い、半年を過ぎた頃には宗教世界に興味を持ち始めておりました。
その当時の私は宗教とはまったく縁がなく、それどころか十歳ごろからの私の僧侶嫌いは異常なほどで、金欄で着飾った僧侶を見ると吐き気がして、息を止めてその場を離れるといった具合で、そのような僧侶のそばで息をして抹香臭い匂いを嗅ぐものなら体が腐ってしまうと感じたものでした。
ところがある日の夕暮れ、地元の名士?が亡くなったのか、私の家に近い病院の前にズラリと、キンキラキンの花輪が並んでいました。その長さは優に100メートルを越えているのです!しかもそこを通らねば家には帰れない!仕方ない、そこを全力で(云うまでもなく息を止めて)走り抜けようと決心したその間、私は静かに深呼吸を重ね意を決しました。
「ヨーイ・ドン!」まっしぐらに走りました!無我夢中でした。しかし無理だった・・・。ついに途中であのみじめな息を継いでしまったのです。目がくらんで吐き気がしました!何故だか、あんなに墨染の衣に憧れている私であるのに、これも運命か!と心の中でそう思いました。
抹香臭い仏教は、なぜか私のDNA遺伝子が目の前で大暴れするため大嫌いなのです!それでも宗教を探し続けて行き着いたのが、ラジオの深夜放送、そこで聞いたのがキリスト教通信講座でありました。
毎晩首から十字架をかけてお祈りしていると、いつの間にか信心も深くなって、完全なクリスチャンになっていました。
しかし、どうしてもその先には行けず(あなた頼みの宗教では、どちらに転んでも大丈夫とは言えない)という幼少の頃からの切なる思いが湧き出てきて、ついに通信講座をも諦めてしまいました。
出家を目指して神の信仰をきっかけに宗教観が深まり、目覚めて人生に向き合うようになりました。
そして、次に自分なりに真剣に宗教を作る決心をしました。
それから1ヶ月ほどかかって理想的な宗教世界を練り上げ、ついに五つの信条なるものを考え、それを壁に書いて、毎日熱心に唱えました。
出家を目指してしかし、やっぱり納得がいかず、そろそろ五つの信条にも飽きて来た頃、遂に向こうからやってきました!
理想的世界がやって来たのであります。
ある日、何の気なしに立ち寄った本屋で遂に出会ったのです!《 禅 》しかもその入門書の中に表現されてある世界観は、実に私が1ヶ月間理想として考え出した宗教観と全く同じではありませんか!どういう事か・・・、とにかく嬉しかった。《 完璧な自己の自立と、普遍的世界との合一から実現される人類と一切の平和! 》
その思想が一気に私に向かって押し寄せてきました!力強く!そして抜群の説得力を持って・・・

第3章 幼い時の記憶

自叙伝 幼い時の記憶余談ですが、私の記憶は一歳頃から始まっているようです。後に出家をして、四歳頃までの色々な思い出を書き綴ったところ、六十いくつかの出来事を、あたかも昨日のように書き出すことができました。
そして、その中でも一番古い思い出として、これが私の人生の出発点となったのではないかと考えさせられる思い出があります。
それは、ある日の寒い朝、金色に輝く朝日をいっぱいに受けて、私は母の着物にすがって立っておりました。
母は近所の人に朝の挨拶をしながら、談笑し、そして縁台に新聞を広げました。
間もなく母が、突然驚きの声をあげて「えっ!ガンジ-が亡くなった!」と叫びました。
・・それからまた新聞を食い入るように見たあと、ため息まじりに私の方を見ながら「お前もなぁ、大きくなったらこういう人になってほしいなぁ!」と悲痛な声で囁いた、その言葉が今もこの耳に残っております。
その時私は、母を見上げながら『うん!わかった! なったる!』と、きっぱり言い放った事を記憶しております。 その時の情景と母から受けた強い印象が今も、私の潜在識の中にはっきりと刻まれています。
私が母の願いに応えて出家をしたのかと思うと、感慨無量であります。
なんと幸せな母子であることか!たとえその後に二人の辛い別れがくるとしても・・・。
そういえば先日、インドに深い思い入れのある人と話しをしていたとき、この話しになって、彼が「では、これからあなたはガンジーのように何をしますか?」と問われたとき、私は即座に「今、いつもガンジー翁と同じものを見ていますよ!」と答えました。その人は分かってくれたでしょうか?
それよりもその時・・・、私は、母との約束を思い出してなんとなく嬉しかった・・・。

鴨川支部(千葉県)

練習内容  

1.混元気功
2.陳家太極拳簡易三十二式
3.心意混元陳式太極拳二十四式
4.陳式太極拳老架一路
月に1回、山口道長の指導があります。

日時

毎週木曜日9:00~12:00

場所

鴨川市中央公民館と田原公民館を使って、隔週やっています。

練習風景

kamogawa1
kamogawa2
kamogawa3

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    木更津支部(千葉県)

    練習内容

    1.混元太極拳48式
    2.混元太極刀
    3.陳式太極拳老架一路
    4.混元気功

    日時

    毎週土曜日 9:30~11:30
    (11:30~12:00 練習後のお茶の時間です)

    場所

    文京公民館(木更津図書館隣)
    [mappress mapid=”4″]

    練習風景

    kisarazu3
    kisarazu2
    kisarazu4
    kisarazu1

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      行徳支部 太極南天(千葉県)

      行徳支部 太極南天(市川市)
      行徳支部

      練習内容
      1.各種 甩手(スワイショウ)
      2.陳家溝(基本功)
      3.混元内功12式
      4.陳式太極拳入門式12式(陳式初級者向け套路)
      5.  陳小旺大師38式(陳式中級者向け套路)
      6.陳式新架一路
      初めての方も、気軽にお問い合わせください。
      レベルに合わせて、指導いたします。

      日時
      毎週日曜日 15:00~17:00
      陳式8式、混元太極拳
      毎週火曜日 19:00~20:30
      混元内功
      毎週木曜日 19:00~20:30
      陳式38式太極拳
      場所
      主に南行徳地区ふれあい館
      ・富美浜地域
      ・香取地域
      ・新井地域  など

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        行徳支部

        江戸川支部 敬心道場(東京都)

        練習内容

        1.練功十八法(準備運動)
        2.虚実開合纏糸法(基本功)
        3.陳式八式(初心者用套路)
        4.陳式老架一路
        5.用法説明
        6.推手
        王西安拳法研究会 日本分会 教練

        日時

        毎週木曜日 19:00~21:00

        場所

        JR総武線 小岩駅より徒歩13分
        小岩アーバンプラザ 健康スタジオ

        練習風景

              

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          港陳式太極拳のひろば 港支部(東京都)

          練習内容

          1.陳式太極拳一路
          2.陳式太極拳二路
          3.練功十八法
          4.陳式太極剣
          5.心意拐杖
          6.基本功
          7.8式および24式(初心者向け)
          陳式太極拳は王西安老師の型を練習しています。
          新しく武器の練習会を開催(王老師に習った型)
          新しく太極拳を深めるために、武器の教室を開催します。当面は、太極剣の練習です。そのうち、刀、棍と永井が習った武器を練習していきたいと考えています。
           

          日時

          毎週金曜日18時30分から20時30分(太極拳の練習会)
          毎週水曜日18時30分から20時30分(太極剣の練習会)

          場所

          主に三田中学校小体育館または芝浦小学校体育館(太極拳の練習会)

          注意:学校には直接電話等で連絡をしないで下さい。

           三田中学校小体育館または芝浦小学校体育館または港区の公共施設(太極剣の練習会)

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            川崎支部(神奈川県)

            練習内容

            1.馬歩弓捶
            2.潭腿十二路
            3.陳家太極拳簡易32式
            4.五虎群羊棍
            5.混元内功
            6.纏絲内功
            7.放松功
            8.陳式心意混元太極拳24式48式
            9.陳式心意混元太極拳32式38式46式
            10.陳式心意混元太極拳一路
            11.陳式心意混元太極刀

            日時

            毎週月曜日 19:00~21:00

            場所

            川崎市立西中原中学校体育館
            川崎市中原区下小田中2-17-11

            注意:学校には直接電話等で連絡をしないで下さい。

            練習風景

            2014shugo
            2014ANG
            2014CAI
            2014ZHOU
            kawasaki1
            kawasaki2

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              新百合ヶ丘支部(神奈川県)

              練習内容

              1.基本功、混元内功
              2.陳式大極拳簡易32式
              3.陳式太極拳老架一路
              基本功や歩法など基本的な動きを中心に練習しています。

              日時

              毎週土曜日9:45~11:45
              練習場所の確保状況によって変わります。

              場所

              会場は川崎市多摩区の公共施設を利用しているので、固定ではありません。
              主に麻生スポーツセンターや岡上分館、川崎市多摩スポーツセンターになります。

              練習風景

              shinyuri04
              shinyuri051
              新百合ケ丘 変更
              shinyuri07

              新百合ヶ丘支部へお問い合わせ

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                武蔵府中支部(東京都)

                練習内容

                陳式新架太極拳第1路、それに伴う基本功
                陳小旺老師の形を学習します。

                日時

                月2回、第1、第3土曜日、14:00~16:30(休憩30分)
                本部の行事と重なる場合は、日程が変更されます。

                場所

                府中2丁目公会堂
                最寄駅、府中駅 徒歩7分

                武蔵府中支部へお問い合わせ

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                  太極拳問答 その1 開中合 合中開は意念を伴う。

                  弟子が、太極拳について、山口道長に行った質問についての一言を掲載いたします。
                   
                  弟子: 放しょうのとき、次の動作に移る前、腕がとても格好が悪いのはなぜでしょうか?
                  太極拳問答
                   
                  博永師匠曰く:
                  開中合、合中開は意念を伴う
                  意念のない開合は有り得ない
                  循環動作は意が先で動作は意に従う。
                   
                  意において動作は千変万化と化すーー
                  もちろん! そのときの意は空性( 物我両忘 )に住す。
                  《みつつ、見ず》
                   

                  台湾年始会 慧済寺にて 

                  花と劉大師劉大師の噂は、日本にも伝えられ、伝説的な人物となっていますが、この中で今まで劉雲樵という名前を聞かれた方はおられますか !? 手を挙げてみてください ー 確かに結構おられますね。


                  遺影私が地方で太極拳を教えるとき、「 あなたは、なぜ太極拳を習いたいのですか 」と聞くと、「 太極拳は拳児という漫画で知ったから… 」という人が以外と多いのにビックリします。
                  その漫画を私は知りませが、その拳児 という漫画の中に劉大師らしき人物が出てくるそうですね。


                  OLYMPUS DIGITAL CAMERA私が、はじめて劉大師にお会いしたのは28歳のとき、かれこれ40年になります。インド巡礼の旅から日本に帰る途中でどうしても本場の太極拳を学びたいという一心から台湾に立ち寄りました。
                  そして太極拳の道場を探しました … このいきさつは私の自叙伝をみていただければわかるのですが、最初はなかなか道場が見つからなくて、ようやくにして見つけたのが楊式太極拳でした。


                  楊式の練習今朝、皆さんと一緒に太極拳を練習したあの公園のあの場所で楊式太極拳を練習したのです。そう、あの時楊式の先生は私が日本で学んだ太極拳を見て、それではダメだと言われて、本場はさすがだな、上には上があるなと、嬉しかったですね。それから一年が過ぎた頃、北海道から高橋さんという方が太極拳を学びに台湾に来ました。
                  そして、新公園で日本人の私が太極拳を習っているという噂を聞きつけて会いに来てくれました。
                  その時、彼が云うには「 武壇というところで陳家太極拳をやっているので今日一緒に見に行かないか 」というのです。
                  そのころの私は太極拳にも色々種類があるという事も知らなかったのですが…その当時日本に武壇の陳家32式太極拳の本が出版されていたようで、 高橋さんはその本を見て台湾に来たそうです。
                  高橋さんとしかし、高橋さんは突然私に陳家( ちんけ )太極拳というから、私は、えっ…ちんけな太極拳 ? と軽くあしらって 「 私は楊式をやっているからこれでいい、チンケはいらない 」と言ったら、「 陳家はすごい太極拳だから!」と熱心にすすめるから、では見るだけということで、通訳を交えた三人でその日の夜に武壇に行ったのです。


                  劉大師とところが、武壇に着いたその日になんと劉大師に会ったのです!衝撃的な出会いでした!
                  今日、御参りしたあの写真にその当時の面影がありますが、とにかく武人とはこういう方の事をいうのかと一瞬たじろぎました ー
                  その時の話し合いの中で、劉大師は、陳家太極拳は弟子の徐紀がやっているから徐紀に会いなさいと言われて、次の日に除紀老師に会いに行く事になりました。


                  徐き先生とところが、徐紀宅に着いて、老師の部屋でその陳家の演武を見てこれまたびっくりしましたね! これがあの陳家な太極拳なのか!と・・・
                  この陳家太極拳が台湾に伝わった経緯は、陳家溝の近在の県知事の息子さんで、杜という方が戦後蒋介石と一緒に台湾に移り住まわれたからですね…。
                  劉大師は、その昔北京で、陳発科老師の演武を見て度肝を抜かれたいきさつがあって、あの陳家太極拳が廃れてはいけないということで、高弟の徐老師を杜老師につけて太極拳を学ばせたそうです。
                  今朝、軒下で演武してくださった先生は、杜老師に15歳のころからついて学んだと言っておられましたね ー ところで劉大師は杜老師の動きでは武術として使えないと言って、徐老師の動きを改変されたのです ー それ故あの時、徐紀老師の演武された太極拳は劉大師の改変太極拳なのです。
                  劉大師も、ある時、日本で出版された徐紀老師直伝の太極拳を、杜老師直伝陳家太極拳とされていた本をご覧になって、これは私の太極拳である ! とハッキリと言い切っておられました。( 1978年に陳小旺老師の前で私が武壇の太極拳を演武したとき陳老師は陳家溝の老架とほとんど同じであると評価して下さり、あなたはもう老架を学んだのだからといって、新架から教えて下さった経緯があります )。
                  ところで、徐老師に入門をお願いしたのだから、すぐに太極拳を学べるかと思ったらそうではなかったのです。
                  徐老師は、私の楊式太極拳の動きを見た後に、なんと! まず基本が大事だから単腿から始めるようにと言われたのです。 そして、更に単腿の出来具合を見て 陳家太極拳を学べる素質があるかどうかを調べて決めるとまで言われました。
                  taikyoku2_p8taikyoku2_p9軽やかに跳躍練習taikyoku2_p12taikyoku2_p13


                  こっちも開き直って ー それならば基本功からやろうではないか ー ということで、台湾に五年、通算して3年滞在した中で、なんと8ヶ月も単腿の練習に費やしたのです。
                  実は、その12路単腿を教えて下さった先生が黄偉哲先生ですが、その黄老師が今晩私たちのホテルの方に来てくださるそうです ー 35年ぶりです、嬉しいですね!
                  この黄老師は、最近 You tube などで拝見しましたが下半身の衰えがまったくありません、非常に素晴らしい方ですから、今日会えるのを楽しみにしていてください。
                  劉大師に見守られて練習さて、私が単腿を3ヶ月くらい学んだころに、黄老師が突然! 「 今日劉大師が、あなたの練習を見に来られるから、頑張ってね! 」 と言われた時は少し緊張しましたね ー そしてその夜、劉大師が見ておられる前で、単腿の一路から始めました。緊張の中、動きながらだんだんと劉大師の方に近づいて行くと、突然劉大師は椅子に腰掛けたままで、サッと手足を組み換えて私を見つめられる … 劉大師に打ち込む隙がない!と感じましたね ー 私は更に演武をしながら、そのままずっと道場の外に出ていくのです ー 狭い道場なものですから、単腿をやるとアスファルトの道路のほうに出て行って、2路で又動きながら、そのまま道場に入ってくるわけですね。
                  行ったり来たりして劉大師に近づくたびに劉大師は構えを変えられる ー こっちから来るとこういうふうに足を組み換えられる・・・
                  劉大師は本当の武人ですね、その時々で、無意識に体を変えるのですね! 私がすっと立つと、劉大師が風に揺られるようにふっと動く! 最初意味がわからなかったのですが、自然体の間 … あれが本当の武術家の呼吸ではないかと思いました。
                  劉大師にお酌私達の歓迎会の宴会のときもそうでした、私がビール瓶を持ってお酌に行こうとしたら、山口は何だ ! と言って、こう構えて睨らんでいる写真を皆さん方も見たことあるでしょ ー もしあの時に、ちょっとでも怪しげな動きをしたり、誤解でもされたら大変でしたよ ー 2cmもの高さのある象牙の指輪をいつも中指につけておられましたからね! ー 「 空手は硬いものをこんなことやって鍛えるが、私はそんなことできない、手がダメになってしまう 」と冗談を言いながら空手の鍛練法の間違いを指摘しておられました。
                  ご自分は、いざというとき、あの指輪で人体のツボを打つのだ ! とおっしゃって ー 本当の拳法とはなァ、という話しをよく学生たちに聞かせて下さいました … 。
                  又ある時、私に拳には三つの要素があると話して下さいました ー これは皆さん方にも何回もお伝えしたことです ー
                  劉大師とひとつには心身の鍛錬
                  二つには芸術性
                  三つに護身術
                  このようにあげておられましたが、私が感心したのは、二つ目の芸術性 ー 拳は芸術だということをそれまで聞いたこともなかったので、どうして拳法が芸術なのかと・・・
                  それは、表演大会などで点数を競い合う程度のものであるかと思いきや、とんでもない間違いで、芸術性の正しい意味は正確な動きは美しいというものです。
                  もちろん、拳の動作だけではなく、日常の立ち振る舞いまでも美しくなくてはなりません、その美があるかどうかの基準においてその人の練拳が正しいかどうかを見極めるというのです。
                  この 現量 には感心致しましたね ー 自然(じねん)同体の体 ー これこそが拳なのです。
                  又、第一としてあげられた心身の鍛錬、 これが練拳修練のもっとも重要な目的であると諭されました。
                  そうなのです!
                  若い頃には理解不可能で、格好づけたその場の逃げ口上のようにも聞こえますが、決してそうではなく自らの人生の本当の敵 ! 闘うべき相手は
                  ” 日々に転ずる自身の 陰陽躁鬱 ” そのものなのです!
                  ” 女々しさに陥ることなかれ それは汝にふさわしくない 卑小なる心の弱さを捨てて 立ち上がれ !! ” … …

                  この 凛と立ち上がる ! 為に、私たちの日々の鍛練があるのです !!
                  人生の ” 逆境 … 生 老 病 死 ” これこそが本当の敵なのです!
                  にこやかに練習この劉大師の教えのいきさつは、 今日の夜に来られる黄老師が、私が単腿を劉大師の前で演武したとき、私に向かってちょっと不服そうに言った言葉
                  ” もうちょっと、動きに殺気を出してやれないの!? いつも楽しそうにやっている ”・・・
                  と言ったその言葉を受けて、劉大師が ” それでいいのだ!山口は和尚であるから、それでいい ” と言って示された教えです。
                  あの時、私は内心「 直線的なちょこまかした拳はどうにも好きになれず、おおらかに大空を行く雲のような循環の広がりの拳、太極拳が学たいの 〜 ! 」といつも黄老師に言ってるのになんで今さら … と、 ブツブツとふくれっ面をしていたかもしれませんね …
                  黄先生と食事 ところが今回の訪台でその謎が解けた気がしました ー 今回我々の前で演武された黄老師の太極拳は、形の運びは太極拳であっても、直線的な剛拳であり太極拳の勁道とは異なります。
                  ( それにしても、黄老師 ー 昔の技の切れ味にも増して、その拳風は重厚感に溢れ、一家の体貌を成した趣は、30数年の練功の成果が偲ばれます。 さすがです ー ) …
                  実はこれはその人の持つ気風、気質の問題で、練拳を始めるに当たって最初どの拳を選ぶかは個人個人大事な選択肢なのです ー あの折り、徐老師は基本の単腿の拳風から、その人の拳の素質を読み取り、次にどの拳を選ぶかを見極める必要があると言ったあの言葉にも納得がつきました!
                  32式初練習32式 左向いて事実徐老師は非情にも、陳家を学びに来た高橋さんには外家拳をすすめ … 私がまた外家拳の真似事をしただけでも厳しく叱った徐老師の考えも今はよく理解できます 」 ー


                  あの時、劉大師は心身の鍛錬を第一とせよ!と私に言ったあと
                  「 お前が寺か道場を持った暁には書を書いてあげる 」と約束をして下さいました。
                  仏精気神数年後、能忍寺本堂建立に際して、斉藤さんと大橋さんが訪台し、劉大師から、約束の書をいただいて来てくれました。
                  その書にしたためてあった教えは・・・
                  精気神 と 仏即是心 ですね…。
                  「 劉大師は元来仏教徒ではなく、回教徒ですが、仏教寺院に祀られておられたのですね… しかも納骨堂にとは… 子供さんがいなかった為、跡取りがなかったからでしょうか …  少し寂しいですね ー 」
                  さて ー 今回こういう企画で年始会を台湾でということになり、私がふと気になったのは、精気神の18号にたしか劉大師の教えから書きだしたことを思い出し、その18号を台湾に奉納しようと決めました。その矢先に立教大名誉教授の横山紘一先生から、「 御殿場合宿の時に山口道長が話したのを読みましたが、すごいですねー 」と評価をして下さったのです。
                  すすき御殿場合宿のときの文とは、もちろん精気神18号です。
                  家に帰って再度読み返しましたが、我ながら驚きました! 皆さん方も、もう一度帰ったら見てください ー
                  私は18号を読み返しながら、太極拳とは何か・・・、それがどうして心身の鍛錬になるのか、その過程と結果、その理がここまでまとまっていたのかと我ながら驚き、早速普元さんにメールして、「 この18号を台湾に行くまえに菩提道交会ホームページに出せませんか?」と無理を承知で連絡しました。すると普元さんから了解しましたという返事が来て、それから30分もしない内に見事菩提道交会の太極という項目に入りました。帰ったら見てください ー
                  精気神taikyoku2_p25
                  taikyoku2_p26今日、寺に18号を奉納させて頂きそして、あらためて劉大師に誓いました!


                  私は拳を通して、太極の神髄を伝えられる者となります … と ー 皆さんも、また太極を目標として日々練拳をお願いします …
                  さて、劉大師に書にいていただいた精気神とは、精をもって気と化す ー 気をもって神と化す ー 実はまだそのつづきがあるのですよ、神はすなわち虚に還る … と、それが、精気神の本意ですね ー 虚に還る ー 禅の言葉に ” 円なること大虚に同じ、欠くることなく余ることなし ” とあります。
                  大虚
                  虚というのは、虚実の虚ではありません。 万法帰一、 その一とは太極、万物の本源の事です。
                  拳はそこに帰ると ー これこそが完全なる勝者、ということになるのです。
                  OLYMPUS DIGITAL CAMERA今日、お参りしながら、私は劉大師の恩に報いる気持ちを新たにしました。
                  どうぞ、太極道交会です、太極の道に交わる会
                  これは、劉大師の願いで目標でもあるわけですから、今日、この場を機縁にして、更にお互い精進を誓おうではありませんか !
                  以上です …
                  有難う御座いました。

                  伊豆支部(静岡県)

                   私たち伊豆支部は眼前に太平洋と伊豆七島を臨み、大自然の中でゆったり、和気あいあいと練習に励んでいます。
                  先生には気功、混元太極拳24式、老架式をご指導いただき、実技の後には講義としてヴェーダーンタ哲学、禅、太極拳の理論など様々な角度から真理を学んでいます。
                  どうぞお気軽に見学にいらしてください。

                  日時

                  毎週水曜日 9時半~11時半

                  場所

                  アスド会館(東伊豆町)    

                  練習風景

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                    太極理論 精気神第18号より

                                                          山 口 博 永                               

                    富士山この冊子(道交会手帳)には、太極拳の大事な理論である太極と陰陽が説かれてあります。皆さん方も時々これを読んで参考にしてください ――
                     
                     
                     
                     
                     
                    『 拳を学習する目的は、心身の鍛錬をその第一とせよ  』
                     
                    遺影
                    これは 劉 大師 のお言葉です。
                    さて今まで何度も申し上げたことですが、少し復習をしておきます。
                    まず太極拳の目標は、インドの最高哲理であるヴェーダーンタ哲学の探求テーマと同じで「多様性の中に単一性を見いだせ」というものでした ―。
                    なぜ“ 単一 ”かと申しますと、簡単に言えば多様性は 不自由 で、単一は 自由 ということです。
                    これを喩えとしてあるのが有名な、波と大海があります ―
                    『 私達を含めたこの世界は個別の存在としての波と、一体の大海に似ているとした。』
                    確かに私達はそれぞれ個の波であると共に本来は大海であるというのです。
                    しかし、このことは頭で理解できても日常にあってはなかなか理解が出来ません。
                    いつも私達は外の世界を分別して他の波とぶつかり争うのです ―
                    そこで理法は単一なる大海こそが自己であると気づけば、あなたは一体全体を知って完全なる自由を得るというのです。
                    勿論この法則は私達の日常とかけ離れた事柄ではなく今まさに、ここに問われているのです ―。
                    すすき例えばここに居る私たち20数名の存在も、その窓の外に見える「松、もみじ、ひのき」などを入れた自然界も同じく全ては個の存在としての波であり共にかかわりあっているのです。
                    そこで、太極拳の鍛錬もこの陰陽矛盾を解決すべく ― ― 多様に変化する動作の中に、統一をはかる、すなわち太極を目標とするのです。
                    矛盾は不自由で心身の病を得る … それに対して統一は自由で健全なのです。
                    そこを陳ヒンも
                     
                     
                    仏
                    各動作の後は渾然( 完全に溶け合う )
                    と太極の気象( 気性、気質 )に帰り、いささかの痕跡( 過去にあった、跡形 ) をも残さず 外観さながら 停止しているかの如くであるが、 内面絶えず 太極が運行 している。
                    これが太極の奥義( 極意、神髄 )であり、
                    太極拳を学ぶとはこの 精義( 詳しい意義 ) を学ぶ事にある ― ―
                    と説くのです。
                    それをヴェーダーンタの方でも
                    ― 「万有の展開は陰陽二力の作用に帰す、誰が展開のいずこより来たりしかを知るものぞ!」と問いかけるのです -
                     
                     
                    私たちは太極拳の鍛錬を通して陰陽2力の “ 波 ” の背後の“ 大海 ”を知る者とならねばならないというのです ー なぜならば私達は、 完全なる自由を欲するからです ! ー
                    老子の言葉にもありましたね。
                    老子が、一と二の関係をこういっています。
                    「陰陽二力の作用は、一から、一はどこから来たか、道からである」と 
                    ― 中国でいう奥義はこの 道 なのです。
                    道が一を生じ、一が二を生じ、二が三となり、三が万物を生ず … というものです。
                    陰陽は太極から、太極は道から生まれたと。
                    そして老子も、その道 “ 大海 ”に帰れば永遠に安らぎ、完全なる自由を得るというのです。
                    ではその道とは何か ― ―
                    ヴェーダーンタでは「汝はそれなり! それを見いだせ」という ―
                    人生とはその回答を得るためにあると説く。
                    『 非常に大事なポイントです。
                    ― + = 0
                    道の0と太極の 1 とは共に素材は

                    陰陽であると !! 次の機会に説明します ― これは量子力学であり科学の証明です。 』

                    そこで「道 “ 大海 ”と物質 “ 波 ”は姿が異なるだけで、 一人一人の 脚下 にあるという、それを太極拳では“ 人人各居一太極 ” というのです。

                    道交会は、ここに目標を定め、鍛錬する会であっていただきたいのです。
                     
                     
                    劉大師が私に言われた“ 心身の鍛錬 ”とは、正にこのことなのです ー
                    このように東洋哲理が指し示すエキスから、私たちは太極拳をどのように学ぶかを深く考えなくてはなりません!
                    短絡的、盲目的ではダメです!趣味だけでは長続きはしません。
                    次に太極拳の陰陽の性質を調べてみましよう。
                    数式のプラスとマイナス、これが陰と陽です。
                    地球もなぜか眼には見えない磁力の支配を受けております。しかしその性質を知ることは可能です ―
                    例えば、磁石棒には赤と青の色分けがしてあって、赤はプラス、青はマイナスです。
                    ところが、もうひとつ別の磁石棒を近づけると、どうしたことかプラスどうし、マイナスどうしは反発しあい、プラスとマイナスはくっつくということはすでに皆さん方も知っての通りです。
                    このように、自然界には生命誕生以前より、プラスとマイナス、陰と陽の磁力の作用があり、その中で私たちは維持されているのです。
                     
                     
                    次に陰陽を、運動の法則からみてみると「開と合」になります。
                    開は陽、合は陰に属します。
                    それを分析しますと ― まず開と合は正反対の動作です。
                    精気神しかし、合は開から、開は合からでなければその動作は生まれません。
                    ここに二つの定義が生まれます。
                    一つは、陰と陽は正反対の姿、性質である。

                    もう一つは、陰と陽は単独に存在せず、「 二つの性質を持った一つの姿、あるいは二つは一つの働きである 」ということになります。

                    整理しますと
                    「陰と陽は正反対の性質でありながら、陰陽は一つの姿とその働きである。」
                    となります

                    ここで、覚えましょう ― 「陰陽は、一つの働きであり、分けられない!!」 ということです。

                    劉大師 精気神 揮毫この法則を、太極拳運動で身に擦り込み、常識化して日常に展開して下さい。
                     
                     
                     
                    太極拳の練習では「開合」を ― 前後、左右、上下、四方八方 ― に陰陽開合統一せねばなりません。
                    あげる力は落ちる力と相互作用しなければアンバランスとなって動きは崩壊します。
                    右にもっていくには左の力を知らなければ正しく右にはいきません、左も後ろも然りです。
                    太極拳はこういうふうに一つ一つの動作に陰陽のテーマを設けて練習することが大切です。
                    私たちは、太極拳を通してこの法則を体得し意念において拳を千変万化させるのです・・・。
                     
                     
                    カプラという量子力学者が太極拳を学びながら気づいたことは「太極拳とはまさに量子運動である」ということです。
                    それは、「自然界の運動力学の法則を人体に取り入れたのが太極拳運動だ」、というのです。
                    科学で宇宙の運動は ― 重力、磁力、弱い力、強い力 ― の展開であるという・・・。
                    この自然界に有る4つ力をすべて用いたのが太極拳だといっているのです、( これが陳式太極拳の独特な風格である纏シ勁というものです )。
                    確かに太極拳は落ちる力の反動を動力源として、腰のねじりで螺旋の円運動に変え、四方八方に陰陽二力を結ぶのです。
                    今、陰と陽の力学的関係を二種申し上げましたが、次にもう一つ、体と心を繋ぐ呼吸の関係でいえば ―
                    吸うは「陽」、吐くは「陰」にあたり
                    「深く吐いてください」と言えば、まずは深く吸うでしょ。
                    「深く吸ってください」と言えば、最初に深く吐きます。
                    これが 「 陰と陽は別々の作用でありながら、ひとつの働きを現す。」ということです。
                    これが自然の理なのです。
                    しかしこの理法を私たちの日常の価値観に取り入れると不思議な現象が起きてまいります。
                    たとえば、「得をするには、まずは損から」ということになります。
                    行くということは、帰るということです。
                    『昔インドで私の友人が禅語にある “ 下山(あさん)の道は上山の道 ” と唱えたら、そばにいた量子力学者は「それは量子運動だ!!」と言って大感激していたそうです。』
                    「取るとは棄てることなのです」と … しかし未だ科学者はその法則の姿に戸惑います。
                    なぜならば陰と陽は別物と考え、陰陽和合の理( ― + = 0 )の 太極 が発見できないからです!! 人の思考は陰陽二力のどちらか一方に滞る性質があるので矛盾となるのです。
                    これが天地陰陽からはじきだされた法則であり、我々の日常を正す基準でもあるのです。
                    さらに、はっきりと知っておかねばならない事柄は、本来私たちも自然界の生み物として、今ここ! この法則に則ってあるということです。
                    私達は “ 天地人一体 ”のものであって本来は自由闊達であるはずなのですが どうしたことか、自身の“ えり好み ”から陽にかたより一陰九陽となって心身のバランスを崩しているということであり、 その陰陽矛盾から苦を生むということです ―
                    ここです!!
                    まず太極である統一“ 0 ”を知らなければ日々の陰陽( 損得、善し悪し )に、バランスが保てず、一方だけに滞って苦を生むのです。
                    ― ―

                    理論は、非常に抽象的な姿ですが、それを具体的に日常で、どのように用いるかをしっかりと鍛錬せねばなりません。
                    ― ― ―

                    つぎに、身体と心の関係ですが ― 手の平を上に向けて、次に下に向けると印象が変わりますね  ―。
                    私たちは、からだと精神は心身一如であるということを知ります。
                    「座ると」と思えば、座る。

                    「立ちなさい」といえば、立つ。

                    「行きなさい」といえば行く。
                    それと同じく、からだが痛めば心も痛み、体の変化に心も変化します。

                    ですから、心身は別物ではないのです。
                    「太極拳運動はからだを調え呼吸を調えそして精神を調えるもの」と考えてよいです。身体は力学的で目に見えて分かりやすいものですからね ― 「気を降ろすために、肩の力をぬいて胸の力も抜く」というと、正しく下腹にぼんと落ちてくるものがあります。

                    このところを丹田と言い、練習の過程でしっかり鍛錬しなければなりません。

                    すすき2天地陰陽の合一が丹田の場、即ち人体の中心にあるのです。

                    丹田に陰陽が正しく合一したとき、これを・・・太極の気象と云い・・・呼吸も止息の境に入る。

                    すると三性は( 眼性、耳性、意性 )内面に合一となるのです。

                    この時に !!、 波は大海を知るのです。
                    色合いでいえば陰と陽は、白黒に分かれていても、統一すれば無色透明となって三性合一( 無分別智 )の境に入る。

                    『中国では、赤を陽とし、青を陰として色分けします。そして赤と青が、かみあってひとつの姿を現しているのです。

                    あれが陰陽マークで、量子力学の父、ニールスボーアが自身の墓の紋章に選んだのです。』

                    人体力学で気沈丹田の陽と、虚霊頂勁の陰が、一本の柱となって体中を貫く時、 心は分別知の二力を離れ、統一的な無分別智( 太極の気象 )を得るのです。
                    太極拳の鍛錬は1陰9陽から始まり ・・・ そして5陰5陽となって極意を得ます。

                    極意は“ 0 ”で時には陰、時には陽を知って陰陽に遊ぶ

                    これを 禅では
                    “ 遊戯三昧 ”といい、やはり禅の極意ですねー
                    ど〜〜〜ぅぞこの放松力( 0 )を完成してください ―

                    こうして(実演)お互い上下に引き合わせればいいのです ・・・ 。

                    そう ― 動中の太極と、静中の太極がありますね。
                    動中の太極は、五陰五陽で太極、静中の太極は、天陰地陽、人体の気沈丹田と虚霊頂勁 これが天地人合一という境涯です。

                    実はそのまま座すれば坐禅なのですね ―

                     同じです!

                    言葉での説明は難しいですが、体得は決して難しいものではありません。
                    なぜならば“ 人人各居一太極 ”ですから、本来そうなのですから・・・。
                    くどくど申しますが、矛盾の出どころは、日常の我々の陰陽二気が損得勘定となって、陽気の気分( 勝ち組 )が陰陽のバランスを崩す元凶なのです。
                    ですから、自然体( 太極の気象 )に帰れば、心身の天地人合一が完成されて、完全円満無限絶対なる大海に入る。
                    難しいことではありません。
                    難しいと思うのは、自分のこだわりの気分を捨てられないから難しいのです。
                    台湾
                    たとえ今それを捨てられなくても大丈夫!
                    太極拳の進歩の過程で自然に放捨できます。
                    天地人合一の境 ― ― どうぞ今申し上げた陰陽の理論を自分自身で深く探求追求し、反復練習の中で心身に刷り込んでいってください。
                    そして日常の生活に工夫をすれば・・・人生の達人となります。
                     
                    明朝洪武七年
                    始祖ト耕は、
                    陰陽開合運転周身の術子孫に教えもって消化飲食の理法となし、これは太極に基づく学問で、ゆえに 太極拳と呼ぶ ー ー ー。

                    ( 道交会 御殿場合宿 にて    2011年11月6日    精気神 18号に掲載)

                    以上

                    宇都宮支部(栃木県)

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