S.I さんの感想

 
当日、表演会の山口道長の演武「一畳太極拳」を拝見していて、師弟の息の合った動きに感動を頂くと共に、何とも言えない感慨が湧いてきました。
入院の当初はたったの一秒も片足上げができなかったと理学療法士に伺いました。しばらくは、歩行時も点滴のキャスターバーにつかまってと不安定なご様子でしたが。
人知れず、ベットサイドで編み出されたという「一畳太極拳」の自主リハビリの成果もさることながら、私が一番すごいと思ったのは、お体の回復よりも何よりも、あの大変な時期も淡々となさっていたお姿です。
伝わってくる雰囲気に悲壮感や焦燥感が微塵もない!
何十年も積み上げてこられた太極拳を有る意味失われたというのに、、、
いやそれ以上に失われるかもしれない状況の中で、、、
ずっといつもの道長だったのが実は凄い事と思っています。むしろこちらの方が安心、安らぎを頂いていました。私自身、これは暗示としてこれからもあたためていきたいと思います。
表演会の感想に戻りますが、会場の全員が、この2ヶ月間のそれぞれの思いと重なって、一体になったひと時でもありました。
道長不在の中でもそれぞれの支部が一丸となって練習に励んできた、気迫のこもった表演にも何度も感動を頂きました!
試練を経て、「太極拳とは何か」と自身にも向き合う中で、今年の表演会はいつもと違った視点で拝見させて頂いてました。 怪我や病気を抱えている方の一生懸命な太極拳になぜか目が吸い寄せられていました。人生や心意気、気概を太極拳の中に自ら示して下さっている道長の姿にも重なり、これぞまさしく太極道交会の真骨頂!と、皆様のパワーを沢山分けて頂きました!!
ところで、養生を経てから道長の太極拳の印象が変わられたように思え、勝手に分析してみたのですが、体型がスリムになられた事もあり、中性的というか、女性的要素が加わったような、より繊細精妙、深さ、柔らかさが増した印象を受けました。
女性のはしくれとしては、外見上の距離が少し近づいた分、せめて外見上の功夫も近づけるのではないかと密かに期待しているのですが。。。
(実は、益々次元が遠ざかっていっている事実に気がついていない?)
今後共、御指導を末永く宜しくお願いします。