馮志強大師追悼

 馮志強大師が5月5日14時56分に北京に於いてお亡くなりになられました。享年85歳。5月11日北京八寶山賓儀館において葬儀は2000人以上の方が参列され、とりおこなわれました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

(以下、馮志強大師著 馮志強伝より)
 《 私は自分がある「真理」と向き合い続ける幸せな人生を送っているといえる。その私が今しみじみと感じていること、それは「太極」の奥深さ、道の深さである。
 実際私は「太極」の入門者にすぎない。太極拳はいささか修めてはいる。しかし、「太極」はやっと少し分かり始めた、いわば小学生なのだ。
 「太極」とはこの世の、宇宙のすべてを包み込み、そしてすべてに貫通する哲理であり真理である。
 その大を尋ねれば太極に勝るものはなく、その小を尋ねれば太極に及ぶものはない。ありとあらゆるものが、私たちに個々のいのちも含めて太極を離れては存在し得ない。私たちは「太極」の中で生き、「太極」に満たされて生きている。それは「規律」と呼ぶこともできる。誰しもが、そして無機物を含めたすべてのものがそれに違反しては存在の根拠を失ってしまうのだ 》

 太極道交会が北京の馮志強大師のもとに訪中団を送ったのは、2001年のことです。これから太極道交会の各支部において、陳式心意混元太極拳が練習されるようになりました。山口先生と馮志強大師との関係は、それより10数年も前からになります。

 爾来、山口先生は、馮志強大師は卓越した技術だけでなく、深い哲理もわかっておられる武徳のある方だからいつかは直接学びたい、と思い続けていました。2001年から太極道交会として毎年北京に訪中団を送るようになりました。

 台湾の劉雲樵大師の言葉に、「武術を学ぶとは、心身の鍛練、芸術性、護身術の意味がある。その中でも、心身の鍛錬が大切」ということがあります。馮志強大師は、この心身の鍛練ということを、自らの鍛練と研究の中から、豊富な言葉で、私たちに示してくださいました。まさに馮志強大師は太極拳を通して「太極」を求めた道の方です。

 馮志強大師いわく、「太極拳を学ぶとは、太極を体現していくことである。これは始めなく終わりなき道であるが、私はこれから1000年かけてこの道を極める。厳しい道であっても、このうえない喜びである」このお言葉が今、力強く真実味を増して伝わってきます。

 私たち太極道交会は、馮志強大師の道心を受け継いで、これからも太極拳の鍛練を続けていきましょう。